パソコンを学習している方にも、これから学習を考えている方にも最初にお伝えしたいこと。
それはパソコン学習のコツについてです
私の教室に通ってくださる生徒の皆さんにも、入室前にパソコン学習のコツを説明します
ご年配の方がパソコン学習を挫折してしまうケースは「操作手順を暗記してしまう」ことです
市販のテキストで学習する場合、どの本も操作手順を覚えるように記載されており、アプリ内での操作の全体像がつかめないため、1ページずつ進めていく形になり途中で挫折してしまいます。
暗記しようとすると、勉強自体が苦痛になりますし、暗記できたとしても覚えている唯一のパターンで操作するため応用が利きません。
ですから、パソコンの学習をする際には暗記ではなく、操作をイメージできるように練習することなのです。
操作をイメージできるようになると、パソコン教室での学習でも独学での学習でも操作一つ一つが意味を持つようになるので楽しくなります。
操作をイメージする
たとえば、年賀状を作成する際に①ページ設定、②写真の挿入、③文字入力・・・と操作手順を順序だてて覚えるのではなく
- 用紙サイズを変更するには?
- 写真やイラストを挿入するには?
- 装飾文字を入力するには?
とそれぞれの操作をひとつひとつ頭の中でイメージできるように学習します。
この操作をイメージするために大切なのがOffice2007から搭載された「リボンインターフェイス」を理解することなのです。
タブとリボン
このページをプリンターで印刷して頂くことで、ご自分のパソコンで操作してみるとよくわかると思います
インターネットのページを綺麗に印刷する方法を参考にして印刷してみてください
ワードやエクセルの画面上部にあるボタンが配置されている部分の名称です
Wordの画面です
Excelの画面です
赤枠で囲われている部分を「リボン」といいます。
リボンの上部にある「ファイル」「ホーム」「挿入」「ページレイアウト」・・・を「タブ」といいます。
パソコンの操作は、画面上で行う操作に合わせてタブを切り替え、リボン内の機能を使うことで考えていることに合わせた操作をすることができるのです。
リボンインターフェイス構造に切り替わったのはWindowsVista時代のOffice2007から変更されました。
変更前(WindowsXP)まではボタンが画面の上と下にそれぞれ配置してあったので、画面内を探せばボタンを見つけることができましたが、Office2007から使える機能が増えたことによりタブ・リボン構造に変更になったと考えられます。特に写真やイラストについての機能が格段に改善されました。
WindowsVista時代のOffice2007以降、現在のWindows10のOffice2016まで「タブ・リボン」の操作が主になっています。
一度しっかりタブとリボンについて理解して、学習しておくことで今後の環境が変わる場合でも困ることは少なくなるはずです。
タブとリボンの操作を実際に行いましょう
まずWordを開きます
スタートボタンをクリックして、すべてのアプリの中から「Word」を探してください
購入したパソコンによっては、WordやExcelが入っていない場合があります。販売価格を下げている場合にカットされることがあります。WordやExcelといったofficeソフトは後から購入して追加することもできるので、もしインストールされていない場合は記事を読むだけでも大丈夫です
Officeソフトはパソコン購入時に付属しているライセンスカードで認証しておく必要があります。セットアップが未完了の場合は、Officeの認証を行うことでWordやExcelが使えるようになります
Wordを開くと、はじめに下の画面が表示されます
「白紙の文書」をクリックしましょう
タブを切り替えて、リボンの変化を見てみましょう(あくまで見るだけでOKです)
「ホーム」タブ
はじめから表示されているので、ご覧になったことがある方も多いと思います
「挿入」タブ
「デザイン」タブ
「レイアウト」タブ
「参考資料」タブ
「差し込み文書」タブ
「校閲」タブ
「表示」タブ
タブを切り替えると、リボンのボタンが変更されましたね。
最後に「ファイル」タブをクリックしてみましょう
先ほどの画面に戻るには、画面左上の「←」をクリックします。
ファイルメニューの画面では、主に「保存」と「印刷」を行うと覚えておくと良いでしょう
「ホーム」タブ
それでは、Wordの画面で実際に操作しながらタブ・リボンの切り替えを行います
まずは文字入力をしてください。どんな文字でも構いません。私は「パソコンの練習」と入力しました。
Wordの画面が小さく表示されている場合は、表示倍率を大きくしておきましょう。表示倍率はWordの画面右下にあるインジゲータをドラッグすることで大きくすることができます。私は150%に合わせて使っています。
入力した文字を「選択」します
パソコンを操作を行う上で大切なのが「選択」です。文字を選択する場合は、入力した文字をマウスを使ってドラッグします。
選択された文字列は、グレーの網掛けで表示されます
「ホーム」タブ内のボタンを使って、文字を変更してみましょう
「ホーム」タブの役割は、「文字をどうするか?」
入力した文字を大きくしたり、色を変えたり、位置を揃えたり、、、と文字についてのボタンがリボンにまとめられています
フォントサイズを大きくします
フォントの色(文字色)を赤に変更します
フォントサイズとフォントの色が変更できました。
「書式のクリア」を使って、大きさと色を最初の状態に戻します
他にもたくさんのボタンがありますが、こういったことが必要な方はパソコン教室やテキストで学習していくと順に使えるようになります
「挿入」タブ
「挿入」タブは文字以外のモノを挿入する場合に使います。
文字以外のモノとは、画像や表のことです。
「表」を挿入してみましょう
挿入タブをクリックして、「表」をクリックします
「何マスの表が必要か?」を考えてマウスでドラッグします。簡単に文書内に表が作成できました。
タブ操作でもっとも重要なポイント
表が挿入されたことで、Wordでは「表ツール」の「デザイン」タブと「レイアウト」タブを追加します
この追加される「タブ」を理解することが学習の中でもっとも重要なんです
表以外の場所をクリックしてみてください
表以外の場所をクリックすると、表ツールは非表示になります。
理解してしまえば、簡単な仕組みですが、何をするときにどのタブを使うか?をわかっていないと、操作していて「偶然できた」なんてこともしばしば・・・
繰り返しますが、パソコンの勉強は「タブとリボン」の仕組みを理解することです
「表」ツールの「デザイン」タブ
表の中をマウスでクリックしてください。改めて表ツールが表示されます。
「デザイン」タブは表の色をどうしましょうか?という機能がまとめられています。
表のスタイルを変更してみましょう
好きな色を選ぶことで、ワンクリックで簡単に色を変更することができます
「表」ツールの「レイアウト」タブ
「レイアウト」タブは、表の形をどのようにするかの機能がまとめられています。
この画像のように、「3×4」の表があります。マス目を追加するにはレイアウトタブを使います
「下に行を挿入」をクリックします
簡単に行が追加できました
「図」ツールの「書式」タブ
「挿入」タブを使えば、写真も簡単に挿入できます
「挿入」タブの「画像」ボタンをクリックすると、「図の挿入」画面が表示されます。
事前にパソコンにデジカメの写真やスマートフォンで撮影した写真を取り込んでおくことで、Wordの画面で使うことができますよ。
私は、ピクチャの中にあじさいの写真を練習用に入れておいたので、この写真を使います。写真がない方は読むだけで進めてください。
写真が挿入できました
写真が挿入されると、「図」ツール「書式」タブが表示されます。写真で使える機能がまとめられています。
※「図」ツールの「書式」タブも写真が選択されている状態で表示されます
「図」ツールの「書式」タブでは写真の加工編集が簡単に行えます
写真に効果を付ける
写真を立体的に魅せる事や、切り取りがスタイル内から選ぶだけで行えます
写真の修整
せっかく撮影した写真が逆行だったり、思ったような色が表現できていなかった場合は「修正」や「色」で修正できます
背景の削除
この機能はとってもお勧めです。合成写真も簡単に作成できます
写真を撮影する際に、切り抜きたい写真の背景をシンプルにしておくのがポイントです。焦点が合わされている部分が自動的に切り抜きされます。
写真で色々試したら、元に戻しましょう
「図のリセット」をするだけで、ワンクリックで最初の状態に戻ります。何度も挑戦してお気に入りの作品を仕上げてくださいね。
まとめ
今回ご紹介した「タブとリボン」の操作は、パソコン操作が上達するための指標になります。
「何をする?」と「どのタブを使う?」が一致した時、それが皆さんのパソコンが道具になる瞬間です。
「テキストと同じようにならない」とご質問いただいた時は、「対象物が選択されていますか?」と私の教室では毎日このようなやり取りがされています。
生徒の皆さんが、ご自分で考えてパソコンを使えるようになる瞬間を目標に指導をしています
シニアのパソコン.comでご紹介している記事も「タブ・リボン」を意識していただくことで、必ずお役に立てると考えています。
パソコン教室に通っている方も、これから通う方も、独学で練習されている方も、まずはこの記事を参考にして、パソコン操作のポイントをしっかり抑えてください。
皆さんがパソコンをご自身の道具として役立てられるよう、応援させていただきます。
シニアのパソコン.com